top of page

 2014年7月6日

青森県政を考える会 設立の趣意書

 

 私たちのふるさと青森県は、縄文時代には大集落ができるほどの豊かな風土に恵まれ、司馬遼太郎が「北のまほろば」と形容するほど魅力的な地域でした。江 戸時代には北前船が通い、近代になると米とりんごを中心に農業生産力が向上し、文化の伝播も早く、決して貧しい地域ではなかったのです。むしろ“あずまし い”大地だったのです。 ところが、現在はどうでしょうか。中央と青森県の地域格差は広がり、地方交付税や国庫支出金依存度、どれをとっても残念ながら最下位グループに属してい ます。加えて、平均寿命も最下位です。中心商店街には活気がなく、地場産業は伸び悩み、下北には核燃・原発関連施設が集中しています。 青森県は長い間、「国策」「国益」の名の下に、国の大規模開発計画に積極的に協力し、自立性を奪われてきました。そして、じっと我慢を強いられてきたの ではないでしょうか。その最大の問題は、「安全神話」に基づく国の原子力政策に盲従し、スリーマイル島やチェルノブイリでの重大原発事故、そして取り返し のつかない福島第一原発事故にもかかわらず、原子力にバラ色の夢と理想を託して、県民のいのちと暮らしを危機的状況に陥れていることです。かつて北村県政時代に「産業構造高度化」論ということが言われました。簡単に言うと核燃サイクルや原子力施設を受け入れることによって青森県は繁栄すると いう考えです。それから30年を経た現在、青森県の占める位置は何も変わっていないどころか、いっそう悪くなるばかりです。例えば、青森県がむつ小川原開 発に投じた金額と核燃・原発関係の交付金を比較しても県の持ち出しの方が大きいのが実態です。 私たちは今回「青森県政を考える会」を立上げ、これらを立証するとともに、3・11東日本大震災と福島第一原発事故が全ての人々につきつけている事態を 憂い、新たな地域づくりに挑戦していきたいと考えています。このような立場に立ち、青森県の将来を考える時、必ず新しい郷土の宝を見出すことができると信 じています。そしてそれは県民一人一人の知恵と行動からこそ生まれるものです。 「青森県政を考える会」は、県民の叡智を結集するために、青森県の真の発展のためにできることを考える市民レベルの政策課題検討会です。異分野の情報交 流を行いながら、レベルの高い政策提言ができるよう努力します。青森県の将来のために、安全で安心して住める郷土づくりのために、みんなで知恵を出し合お うではありませんか。

 

青森県政を考える会
     共同呼びかけ人 内田 弘志(前青森県生協連会長)
         神田 健策(弘前大学名誉教授)
         鳴海 清彦(農業者)
         仁平  將(元青森県保健所長)   (五十音順)

 

bottom of page